「llms.txtを置けば、AIに拾われやすくなりますよ」。そう勧める業者の話を、最近よく耳にする。話半分に聞いたほうがいい。
llms.txtは、サイトの一番上の階層に置く、ただのテキストファイルだ。2024年にJeremy Howard氏が提案し、自社の説明や主要ページの一覧を、AIが読みやすい形で一箇所にまとめておく。似た名前のrobots.txtとは役目が違う。robots.txtは「どこを読んでよいか」を伝え、llms.txtは「何が大事か」を伝える。
効くかどうかは、相手次第になる。米Rankability社が2026年6月に世界上位1,000サイトを調べたところ、実際にファイルを返してきたのは8.7%だった(接続できた549サイトに限れば15.8%)。まだ少数派の取り組みにとどまる。
AI各社の対応にも差がある。AnthropicとPerplexityは、自社のAIがllms.txtを読んでいると公式に認めている。ChatGPTは読んでいるらしき挙動が観測されているものの、公式な明言はない。Geminiは、Googleの学習用クローラーGoogle-Extendedとあわせて、反応した形跡がないと米Presenc AIが2026年4月に報告した。検索セントラルが今も薦めるのは、robots.txt・サイトマップ・構造化データという、これまでの組み合わせのままだ。
| Anthropic | 公式に確認済み。Claude Desktop・Claude.aiとも参照する |
|---|---|
| Perplexity | 公式に確認済み。ページ選定に利用しているという |
| ChatGPT(OpenAI) | 公式な明言なし。相関する動きが観測されている |
| Gemini(Google) | 反応した形跡なし。従来の指標を重視すると見られる |
| Mistral | 読み込むが、仕様の扱いはまだ流動的 |
作るなら、要点は三つ。ひとつ、短くする。5キロバイト程度に収め、自社の説明は一段落でまとめる。ふたつ、URLを羅列しない。サイトマップの代わりにしてしまうことを、Presenc AIは最も多い失敗に挙げている。みっつ、robots.txtと矛盾させない。二つのファイルを別の人が別々に触ると、AIへの案内が食い違う。
期待しすぎないほうがいい。置いたからといって、AIの回答に自社が出るようになる保証はない。導入と引用の相関を「ゆるやかにプラス」と評価する報告はあるが、因果関係を示したものではない。今のところ確実に効くのはAnthropicとPerplexityにとどまり、検索で最も使われているGoogle系には、まだ届いていない可能性が高い。
作る手間もコストもほぼゼロで、害もない。robots.txtやJSON-LDと同じく、整えておいて損はない作業ではある。ただ、それだけでAIに選ばれるようになるわけではない。当社のサイトにも置いてある。中身が気になる方は、ご覧いただければと思う。
凪WORKS/AI来客観測。出典:Rankability「LLMS.txt Adoption Tracker」(2026年6月)、Presenc AI「State of llms.txt 2026」(2026年4月)。本文中の数値は出典記載時点のもので、特定の表示順位・推薦・来客数の増加を約束するものではありません。