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サイトを直したのに、AIだけ古い情報を答え続ける理由

施工と測定の記録

2026-08-07 / 凪WORKS

「AIに聞いたら、うちの電話番号が古いままだった」。この夏、仙台市のある行政書士事務所から、そんな相談があった。

固定電話の番号は、去年変えている。サイトのトップページも、去年のうちに新しい番号へ書き換えた。それなのに、ChatGPTとPerplexityに「この事務所の電話番号は」と尋ねると、二つとも、もう使っていない旧番号を答えた。診断で原因を調べると、現行サイトのページには問題がなかった。残っていたのは、同じドメインの中に置いたままだった、旧サイト時代の静的なページだった。

ここが分かりにくいところで、そのページはブラウザからはもう辿れない。トップページのメニューをたどっても、内部リンクをたどっても、行き着かない。人間の目には、とっくに消えたページに見える。ところがAIのクローラーは、メニューをたどって歩き回っているわけではない。過去にどこかで拾ったURLを、記憶しておいて、あとから直接叩きに行く。そのページがサーバー上にまだ実在していて、開けば200という応答を返す限り、リンク切れとして扱われることはなく、律儀に読まれ続ける。旧番号は、その置き去りにされたページの中に、そのまま書いてあった。

同じ理由で、sitemap.xmlに旧ページのURLが残っている場合も危ない。サイトマップは、クローラーに「読んでほしいページはここです」と自分から差し出す一覧だ。サイトを作り直したとき、古い行を消し忘れると、AIに「まだ現役です」と教え続けることになる。今回の事務所でこの経路まで確認できたわけではないが、旧URLの生存を疑うときは、あわせて見ておく価値がある。

対処そのものは単純だった。旧ページのURLから現行ページへ、301リダイレクトを設定する。ブラウザにも検索エンジンにも「この住所はもう使っていません、こちらへどうぞ」と伝える、恒久的な転送の指示である。7月13日にこの施工を行い、7月27日と8月6日、同じ質問をChatGPTに投げて答えを確かめた。約2週間で、回答から旧番号は消えていた。

同じことは、他の事業者のサイトでも起きているはずだ。確かめる方法は、それほど難しくない。まず、自分のサイトが過去に持っていたURLを、覚えている範囲で直接開いてみる。ドメインを変えた、サイトを作り直した、そういう記憶があれば、そのときの旧URLが候補になる。自分では思い出せないなら、Wayback Machineで過去のアーカイブを見れば、当時どんなURL構造だったか分かる。開いてみて、ページがまだ生きていたら、中身を確認し、301で現行のページへ転送する。ここまでで、直ることがある。

ただ、この事務所ではもう一つ、見過ごせないことが起きていた。同じ301施工のあと、ChatGPTは正しい番号を答えるようになったのに、Geminiだけは何も変わらなかった。7月27日の測定で、Geminiはこの事務所が扱っていない業務、飲食店営業許可やドローン飛行許可を、まるで扱っているかのように答え続けていた。営業時間も、実際とは違う「6時から24時」という値のままだった。

調べると、その誤った情報の出所は、サイトではなかった。外部の見積比較サイトと、Googleビジネスプロフィールに登録されていた古い内容だった。サイト側をどれだけ直しても、Geminiが答えを作るときに見ている先が別の場所にあるなら、その答えは動かない。

見積比較サイトの登録は、事業者が自分で作った覚えがない場合も多い。過去にどこかで一度掲載され、そのまま放置されていることがある。まず自分の事務所名や店名で検索し、公式サイト以外に出てくる一覧サイトや比較サイトを確認する。中の情報が古ければ、多くのサイトは事業者本人からの修正依頼を受け付けている。Googleビジネスプロフィールも、登録した本人が管理画面から直接直せる。ここは技術的な作業ではなく、地道な照合作業に近い。

AIは一つではない。どこを見て答えを組み立てるかが、AIごとに違う。今回の観測では、ChatGPTとPerplexityはそのとき直接ページを読みに来ていたが、Geminiは、サイトの外にある登録情報のほうを重く見ていたとみられる。だから、「自社サイトを直せば、どのAIの答えもすべて正しくなる」とは言えない。今回分かったのは、サイトの外側、つまり比較サイトや事業者プロフィールの登録内容まで、あわせて見直す必要があるということだ。そこまでやって、ようやく一通り終わる。

これは一件の事務所で確認した事実であり、すべての事業者に同じ原因、同じ経過が当てはまるとは限らない。旧ページの放置が原因になるとも、Geminiが外部情報を優先するとも、常にそうだと決めつけることはできない。AIが参照する先は、モデルの更新のたびに入れ替わることが知られている。今日直っていても、来月また崩れている可能性はある。だから、直して終わりにはできない。時間をおいて、同じ質問をもう一度投げて確かめる作業が要る。

面倒に思えるかもしれないが、やることは三つに絞れる。自分の旧URLを探して、実際に開いてみる。外部の比較サイトやビジネスプロフィールに、古い情報が残っていないか洗い出す。そして、しばらく間をおいて、同じ質問をAIに聞き直す。今日、自分の事務所名か店名で、一度試してみてほしい。

凪WORKS/AI来客観測。本文中の事例は仙台市の行政書士事務所での実測に基づく一件の記録です。本文中の数値は記載時点のもので、特定の表示順位・推薦・来客数の増加を約束するものではありません。

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