「いまは検索結果のいちばん上にAIの答えが出る時代です。対策しないと選ばれません」。そんな売り込みを受けた、という話を聞くようになった。Googleの検索結果の上部に出るAIの要約は「AI Overview(AIによる概要)」と呼ばれ、対策をうたう商品も増えた。昨日数えた「AIO対策」の棚も、この流れの上にある。
ところが、当社が仙台で測ると、そもそも出なかった。2026年7月13日と7月27日に「仙台 行政書士 相続」「仙台 探偵 浮気調査」の二語で検索した記録では、二回とも、どちらの語にもAIによる概要は表示されなかった。いちばん上に出たのは、地図の枠と通常の検索結果である。仙台市の行政書士事務所と調査会社の測定の一環で記録したものだ。
なぜ出ないのか。AIによる概要を表示するかどうかを決めているのはGoogleで、その条件は公開されていない。だから当社の実測から言えるのは、「地域名と業種を組み合わせた探し方では、出ないことがある」という事実までである。地域の店を探す検索では地図の枠が先に画面を占めるからだ、という見方はできるが、これは推測にとどまる。
それでも、この事実には使い道がある。売り込みを受けたとき、「その枠は、うちの客の検索語に出ているのか」を自分で確かめられるようになる。
ブラウザのシークレットウィンドウ(履歴の影響を受けない画面)を開く。客が打ちそうな検索語を三つ決める。「地域名+業種」「地域名+困りごと」「事務所名」の三通り。それぞれ検索し、AIの要約が出たか、出たならどのサイトが引用されたか、出なかったなら何がいちばん上に出たか(地図・広告・通常の結果)を、日付とともに書き留める。日を変えて、もう一度。三十分あれば足りる。
出なかったなら、AIによる概要に特化した対策を急ぐ理由は薄い。いちばん上に地図が出ているなら、先に整えるべきはビジネスプロフィールの登録内容のほうである。出たなら、引用されているサイトの顔ぶれを見る。それが、その検索語で機械に読まれている情報源だ。
断っておくことが三つある。これは二つの検索語を二度測っただけの記録で、業種や地域が変われば結果も変わりうる。Googleの表示は変わり続けるから、今日出なくても来月は出るかもしれない。点検は一度では終わらない。
そして、AIによる概要が出ないことは、「AIへの備えが要らない」を意味しない。検索結果を経由せず、ChatGPTやGeminiに直接尋ねる客は別にいる。当社の7月の測定では、同じ事務所について、サイトを直したあとにChatGPTの答えは変わり、Geminiは古い情報を答え続けた(経過は別の記事にある)。測る場所が違えば、見えるものも違う。
売り込みの言葉から入ると、対策は大きく見える。自分の検索語から入ると、やることは絞れる。まず測ってから、決めればよい。ご相談は、お問い合わせからどうぞ。
凪WORKS/AI来客観測。本文中の測定は、2026年7月13日・7月27日に当社が「仙台 行政書士 相続」「仙台 探偵 浮気調査」の二語で実施した記録です。記載時点のものであり、Googleの表示はその後変わっている可能性があります。特定の表示順位・推薦・来客数の増加を約束するものではありません。